銭湯フェス、振替開催日が決定!〜なぜこのイベントを続けるのか?〜

こんにちは、松本佳奈です。
台風で延期になっていた銭湯フェス、振替日が決定しました!

9/22(日)です

ぜひご予定くださいませ。

さてさて、そもそも、銭湯フェスってなに?という方へ。

木更津銭湯フェスは、私の故郷木更津にある廃業してしまった銭湯人参湯さんで開催している、芸術と食のイベントです。

高校生の頃、私は人参湯に来ていました。


我が家は銭湯NGな家だったので(母が大衆浴場NGなタイプ)思えば人生で初めて入った銭湯が人参湯でした。番台のおじちゃん、荷物を入れる籠、ケロリンの黄色い桶、いろんなシャンプーの匂いが混ざった温かい湯気。人参湯という名前だけに、高麗人参の薬草湯がウリでした(しかし湯の色が鮮やかなグリーンだったので定かではない…笑)


それから昭和の銭湯が大好きになり、東京でも吉祥寺のよろづ湯や中目黒の大黒湯によく行っていました。今も、旅先での楽しみはその土地土地のお風呂に入ることです。


2010年に木更津に戻り、翌年に東日本大震災がありました。

ボランティアで行った東北。大変な状況にも関わらず、お会いする方みなさん口々に、「夏は何々が旬で美味しいから、復活したら食べにおいで」等々、地元のことを詳しく教えてくれました。私は自分の故郷のことを何も知らないんだと、ハッとしました。

音楽で地域貢献を。

そんな言い方をするとおこがましいですが。

何か自分の活動で故郷に貢献したい。そんな想いを抱くようになったのはこの頃から。

その一環として、レトロな街並みの残る木更津駅西口(みなと口)を写真で残そう!という、木更津写真ワークショップのモデルを務めることになったのが2014年。

その撮影中にたまたま通りがかったのが、あの懐かしい人参湯でした。

けれど人参湯は数年前に廃業していました。ちょうど店主の藤崎さんがいらっしゃって、中で撮影させてもらいました。

「もう歳だからさ、掃除も一人じゃ大変だし、いつまで生きてるかわかんないしさ」

落胆気味に話す藤崎さん。銭湯の中は時が止まったかのように、ロッカーには常連さんのタオルやシャンプーがそのまま、山のようなゴミもそのまま、そこらじゅう埃だらけ。富士山の壁画は乾燥して剥がれ、雨漏りする天井には穴が開いていました。外観や浴室はきれいなのに、勿体無い。


「お掃除するので、ここでイベントやらせてもらえませんか?」

思い付きでお願いしてみましたが、「先のことはわからない」と断られてしまいました。それからは電話してもずっと留守電。取りつく島なく、でも諦めるのは惜しいなあと気になりつつ、2年が経ったある日。

あれっ…なんか人参湯でイベントやってる…

こちらの酒パーティーには行けませんでしたが、他にも色々とイベント開催している模様。市民団体の『みなとまちなかワークショップ』さんが窓口になっているとのことだったので問い合わせ。3年越しに、藤崎さんとお話しすることができました。

そして2017年の夏!念願の銭湯でのイベント開催に至…る前に大掃除が待っていた(笑)

その時の様子がこちら↓

参加してくださった皆さん、ありがとう!

お陰様で、ピカピカの人参湯でイベント開催することができました。

それから2年。毎回イベントの前には有志でお掃除をしています(今回も9/21土の朝9時からやります。参加大歓迎です!)

みなとまちなかワークショップの山下さんもたびたびお掃除して下さっていたり、藤崎さんもこまめにお手入れしているようで、この3年で本当に綺麗になったなあと思います。

しかし、天井の大穴はそのまま。豪雨のたびに脱衣所は水浸し…。

設計士の方に建物を見てもらった時、柱はしっかりしているので地震で倒れることはないけれど、雨漏りは深刻かもと。天井を直すとなると屋根を剥がさなければいけないので、かなりお金がかかってくる。


最初、イベントの収益で修繕できたら…と思っていましたが、年に1〜2回の開催だけでは年間の維持費程度にしかならず、現状維持がやっとでした。トイレだけでも水洗に工事できないか?(今は汲み取り式)とか、色々話し合いましたが、修繕や工事したところで定期的に利用する人がいないと厳しい…と堂々巡り。


もうここは割り切って、建物が生きているうちにたくさんの人に人参湯を楽しんでもらおう。

市内はもちろん市外・県外からも木更津に足を運んでもらえるきっかけの一つとして、銭湯フェスを開催しよう。そんな風に方向をシフトしたのが、昨年でした。


もう一つ、この3年間悩み続けて来た問題がありました。

それは、「チケット代が高い」問題。


関わってくださる近隣店舗の方

ご近所の方

Facebookでの書き込み

「もっと安ければ行くんだけどね」

「1000円とかならないの?」

そんな風に直接ご意見いただくこともあった、この3年でした。


値段は3000円。500円相当のお飲物1杯付きなので実質2500円。

50名入ったらぎゅうぎゅうの店内。

満席になれば15万。

だけど必ずしもお客さんが来てくれるとは限らない。

人参湯さんへの光熱費
フライヤーのデザイン費、印刷費
出演者さんへの出演料
協力して下さった方へのお礼
音響代、備品費や消耗品費


「ごめんなさい、無償でお願いします!」と、人件費を削って削って削ったら、チケット代1000円で満席で5万円の収入でも開催自体はできるし

わざわざ東京から出演者さん呼ばなくても

音響さん入れないでも

イベントは開催できる。

質の良いイベントを開催したい

継続できるようにちゃんと収益を出したい

関わってくれる人たちがちゃんと食っていけるイベントを開催したい

「チケット代が高いから行かない」

そう面と向かって言われるたびに、どうしたらいいんだろうと悩みました。


「自分の取り分ないんじゃないの?もっとちゃんとチケット代取っていいんだよ。すごく良い内容なんだから!」

一方で、そんな風に言ってくださる方もいました。

ありがたいことに、過去の4回は毎回満席御礼。そのたびにホッとしました。

だけど、正直なところ、開催するのは毎回怖かったです。全然お客さん来なくて「だからチケット代下げろって言ったじゃん」と思われるんじゃないかと、怖かった。

はい。私は、本当にこの3年、悩み続けていました。


7月に延期になったとき、実は予約が10名くらいしか入っていなかったんです。

なぜだろう?チケット代のせい?宣伝が遅くなったから?時期的なもの?内容のマンネリ化?悶々と考えていた矢先の、台風予報。

私のこの気持ちが、台風を呼んでしまったのかもしれないと思いました。
お客さんが来てくれなければ、イベントは続けられない。
改めて、今まで足を運んで下さった方々への感謝を想いました。


そして、この気持ちを隠していては、次に進めない。
そんな風に思って、今このブログを書いています。



まずはイベント云々以前に、私自身のパフォーマンスを見直そうと思いました。
いつも、イベント運営でいっぱいいっぱいで、肝心の自分のパフォーマンス内容を練り切れていなかった。なんとなくライブするんじゃなくて、一期一会、もっと作り込もう。



「チケット代が高い」

「タダなら行く」

そんな風に言われるたびに、「お前の歌に、イベントに、3000円の価値はない」と言われているようで、辛かった。

飲食店に入ってわざわざ「値段下げた方がいいんじゃないですか?」「タダだったら食べるんですけどね」と店主に言う人っていないと思うんですけど、なんかそう置き換えるとわかりやすいんじゃないかと思います。


しかし「そうですか?私はそう思わないですけど」と、胸張って言うのを躊躇してしまうのは、私の心のどこかに「自分には価値がない」という気持ちが少なからずあったからなんだと思います。


もう、そこ、超えていいんじゃないか?


ってかいつまでそんなことでぐちゃぐちゃ言ってんだオメーはよ!


覚悟がないならやめちまえ!悩む時間あるなら一曲でも曲作れ!暇か!

努力もしねーで「そんなことないよ、頑張って!」とか励ましてもらえると思ってんじゃねーぞボケカスが!!!!


お前のつまんねえ自己否定のせいで元々の開催目的がどっか行っちゃってるじゃねーか!!!死ぬ気でやれや!!!!木更津に人参湯に行ってみたくなるような魅力的なイベントにしろ!!!話はそれからだ!!ブログが長い!!!


はい。笑


あ、これか、このプッツンが必要だったのか…笑

やっぱり問題って、自分の外側じゃなくて内側にあるんですね。

お金貯めてでも行きたい

飲みに行くの1回我慢してでも行きたい

行ってよかった!めちゃくちゃ楽しかった!

そんなイベントをイメージして、内容を練ります。


というか3000円で美味しいお酒飲めて、落語も音楽も聴けて、昭和の銭湯でいい時間過ごせたらそれ最高やん


長くなりましたがここまで読んでくださりありがとうございました。

昭和の銭湯で音楽と落語と食。お待ちしております!

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◼︎9/22(日)千葉 木更津人参湯
『木更津銭湯フェス人参湯 其の五』
開場14:00 / 開演15:00
料金 3,000円(1drink付)
ペアチケット 5,000円(2drink付)
高校生以下無料


◎出演
極め組東京(南中ソーラン)

Rap maruyama(ラップ)
おさむやりん生(落語)

ダニー坊や楽団(ジャグバンド)

松本佳奈(ピアノ弾き語り)


◎出店
cafe&barPIG(ビール)

なべや(日本酒)

伊藤川魚店(うなぎのおつまみ)

東屋菓子舗(モナカアイス)

Y's CURRY(カレー)


詳細・ご予約はこちら https://tiget.net/events/66606

※前回好評だった出演者サイン色紙の抽選会を今回もやります!
雨天決行、荒天中止


▽人参湯
〒292-0067
千葉県木更津市中央3-4−39


FBイベントページ
https://www.facebook.com/events/1273166769512282/


木更津銭湯フェスホームページ
https://peraichi.com/landing_pages/view/sentoufes


主催 木更津銭湯フェス実行委員会
協賛 東屋菓子舗 / 伊藤川魚店 / 金田屋リヒトミューレ / Cafe&bar PIG / とんかつ かつしげ /なべや / 花岡自転車店

協力 hanahacoBENTO / みなとまちなかワークショップ / 木更津ジャンジャン・ジャンボリー
後援 木更津市