7/28 岡山県笠岡市人権教育講演会・平和祭に出演させていただきました

こんにちは、松本佳奈です。

きっかけは昨年の夏、山口県でのライブ。そのライブを観ていた岡山県笠岡市の方が、今回私を推薦して下さいました。ありがたや。

羽田空港から岡山空港まで、飛行機で1時間。近いです。さらに岡山空港から車で1時間ほどで笠岡市に着きます。瀬戸内海沿いの穏やかな街で、ちょうど向日葵が満開でした。
広大!道の駅 笠岡ベイファーム近くの向日葵畑です。10ヘクタールですって。以前は海だったところの水を抜いて(すごい技術)できた広〜い干拓地。
「あの山は、以前は島だったんですよ」
「渡し船で渡っていました」

よーーーく見るとミツバチいるのわかりますか?花粉玉を足につけていました。かわええ。

まあとにかく一輪一輪の大きいこと!

こちら道の駅ベイファーム。海の幸山の幸がどっさり。

笠岡は蟹がシーズン!甲羅の中に蟹味噌と身がぎっしりで美味しいんだそうです。食べたい…
こちら、なんとシャコが埋め込まれた練り物!!!これは初めて見ました。シャコ、有名だそうです。

そして岡山県と言ったらやはり桃!かの有名な昔話「桃太郎」の舞台なんですね。(きびだんごも売っていました)こちらの桃は手を触れるとすぐだめになってしまうくらい繊細だそうです。皮は手でするする剥けるし、とってもみずみずしく美味しい!とのこと…今回は時間がなく食べれなかったけど次回こそは…!!

さてさて、そんな笠岡市にて開催される、人権教育講演会・平和祭。

「松本さんの曲は人権や平和に繋がるものが多いので」とのことでお誘いいただきましたが、私自身は「人権をテーマに」と曲作りをしてきたわけではなかったので、「人権ってなんだろう?平和ってなんだろう?」からのスタートでした。

会場は笠岡市民会館。1000席ほどあるホール、ステージにはグランドピアノ、お越しくださったのは教育関係の方がメインだったのかな。
スタッフとして、笠岡市役所の市民生活部 人権推進課の皆さんを中心に、聴覚障害の方のための要約筆記や手話などの市民ボランティアさんも多く動いてくださっていました。

まずは笠岡市立金浦中学校の生徒さんによる平和学習発表。広島の原爆ドーム、資料館を見学しての感想や、当時の方々の体験談、沖縄の戦争体験の取材報告など、グループに分かれて発表していました。
その後は、スリーピースさんによる朗読劇「広島のある国で」。生々しい被爆体験が語られました。

そして私!
「心を整理することで、生きるのがちょっと楽になる~いじめ・学級崩壊・不登校の実体験から学ぶ、自分をケアする技術~」というテーマで1時間半、歌とお話をさせていただきました。

セットリスト
1、ばかみたい
2、ハリネズミ
3、価値
4、パラダイムシフト
5、好き勝手
6、大人だってさ
7、種を蒔く、何もない場所に
8、Strings
9、Blowin' in the wind(cover)
10、あの陽だまりは瞼の裏
11、平和への祈り

私は中学1年生の夏から2年生の夏まで、まるまる一年不登校でした。
原因はひとつじゃなかったと思います。
通っていた中学が荒れていて、授業が授業にならない、いわゆる学級崩壊が起きていたことや、狭い世界の中で厳しい先輩後輩や暗黙のルールがあったこと、同級生の中にもヒエラルキーがあって上の地位の子達に逆らえない環境だったことも原因だったかもしれない。家族の仲が悪かったことも。

あの時期に、ひたすら漫画を描いて印刷して、コミケ(コミックマーケット)で売っていた経験は大きいと思います(この話は講演でし忘れました…)自分が描いた作品が売れていくことが心の支えでした。
売れれば、資金ができる。そのお金を貯めて画材を買う。申し込みも移動も、親を頼らず自力でやることで自立心が満たされて、自信につながる。
学校以外のコミュニティがあること、テストのための勉強以外で興味があることをとことん伸ばしていくのはとっても重要なんじゃないかと思っています。

誰でも「役割」を持っていて…
誰かの「親」であり「子」であり、「先生」であり「生徒」であり、「女性」であり「30代」の「日本人」である。
それぞれ役割には、「親はこうあるべき」「女性はこうあるべき」という「一般常識」がつきまとっている。その、「こうあるべき」に縛られて本来の自分を見失ってしまうことが、不寛容さや押し付けの問題を引き起こしているんじゃないか。

まずは、自分の本当の気持ちを感じること。立場的には、常識的には、こんなこと思っちゃいけない…こう思うべきじゃない…でも、本当はどう思っている?どう感じた?と、自分の声を聞く。我慢してたこと、怒っていたこと、悲しかったこと、羨ましかったこと、嬉しかったこと。

他人と感じ方が違っても
周りの期待から外れていても
理想の感情じゃなくても
抗える環境じゃなくても
「私はこう感じた」を大切にする。

自分が我慢しているとき、我慢しない人をゆるすのは難しいんじゃないかと思います。「私も我慢しているんだからお前も我慢しろ」と、嫉妬からの攻撃が始まる。我慢の連鎖が始まる。この連鎖を、私は断ち切りたいです。

自分の気持ちを摑まえることができたら、他人のことなんか気にならなくなるんじゃないか。

一人一人みんな感じ方が違う、育って来た環境が違う、価値観が違うことに気付いてからは、「みんな同じ」でいなきゃいけないことや比較がばからしくなりました。得意不得意があって当たり前、同じことができなくて当たり前。見栄を張る必要もない、できないことに劣等感を覚える必要もない。「あれはできないけど、これはできる」を、どんな小さいことでも積み重ねていけばいいんだと。
自分の心が何にも縛られないことがいちばんの幸せなんじゃないか…。

 私の歌や話を聞いて、なんとも思わなくてもいい。つまらないな、よくわからないな、そんなことわかってる、でもいい。
すべての人の「私はこう感じた」が、安易に否定されたり踏みにじられることなく尊重され、愛され、のびのびと幸せに生きていることを祈って、曲を作ります。

お聴き下さった皆さん、有難うございました。また笠岡行きます!

そして、大切な会のメインアクトとして私を選んで下さった笠岡市役所市民生活部 人権推進課の皆さま、ありがとうございました。
私に不登校を経験させてくれた当時の環境すべてを有り難く思います。経験は宝!ありがたや。

松本佳奈