「たまらん坂」マルセイユ国際映画祭でのワールドプレミア上映でした!

こんにちは、松本佳奈です。
フランス・マルセイユは朝の6時過ぎ。日本時間はお昼を回ったところでしょうか。
ビーチでは海水浴を楽しむ人たちがいっぱい!ほんと毎日晴天で、真夏日です。日本よりずっと日差しが強くて太陽が近い感じがします。
日焼け止めとサングラスと帽子が必須!
昨日は昼間、街を散策する機会に恵まれました。そのお話はまた投稿します。

夜はいよいよ、映画「たまらん坂」のワールドプレミア上映。
まず映画館がほんと華やかで、細かなデザインが素晴らしい!
シッター奈々ちゃんは本職が映画の美術さんなのです(多忙な時期に夏休みを取ってくれました…ありがとう!)

なんと開演前から「たまらん坂」に並ぶ列が!!嬉しい!!
女優の小沢まゆさん、プロデューサーの土屋忍先生と共に、上映後の質疑応答に登壇させていただきました。
お餅くん、最初から最後まで爆睡。笑
お陰様でゆっくり映画を堪能できました。
実は私、完成版を観るのはこれが初めてでした。

ひなこは4歳の時に母を亡くし、それ以来自分の拠り所(ふるさと)を見つけられないでいる女子大生。
大学図書館が彼女にとって癒しの場所。立ち寄っては図書館司書に本を選んでもらうのが日課。本の世界に没入するとき、彼女は悶々とした日常を忘れることができた。

そこでひなこは小説「たまらん坂」と出会う。
「たまらん坂」(黒井千次著)は、主人公の中年男性が東京・国立市にある「多摩蘭坂」という坂道の由来を探っていく物語。物語の虜になったひなこは、実際にたまらん坂に足を運び、由来を自分の手で解き明かしていく。
その過程で、心の奥底に引っかかっていた幼き記憶の断片が繋がって線となり、自分のふるさとは国立市にあったことを思い出していく。そこにあったものは…?

…というあらすじです。


私は、ひなこが幼少期を思い出す手がかりとなる「子守唄」を歌わせていただいています。
メロディーは「ねんねんころりよ、おころりよ」の、あの有名な子守唄なのですが、歌詞が違うのです。

よいこや よいこや ねんねしな

その後に続くのは、たくさんの地名。


監督の小谷さんとプロデューサーの土屋先生からご依頼頂いたのは3年前。4年の歳月をかけて作られた「たまらん坂」の中で、自分の歌がどういう役割を果たしているのか、とてもとても気になっていました。

歌うにあたって事前に映像は見ませんでした。あらすじと、「松本さんの声、母の声、その土地の地霊の声。三通りのバージョンがほしいです」という指示が手掛かり。

母の声で歌うとき、子どもに向けて歌うイメージを作るために座布団を抱き、ゆらゆら揺れながら歌いました。

そして、全体的に昭和のラジオから聞こえてくるような音にしたくて、わざとマイクではなくiPhoneで録音し、空気の音が入るようにしました。

どのバージョンが使われたのか、音質はどんな風に表現されたのかすごく気になっていたので、上映を観てやっと答え合わせができたような気持ちでした。

スクリーンから聞こえた自分の声にゾッとしました。


マルセイユという土地で、あの映画館で自分の声を聴くことができて、「ああちょっと無理をしてでも来てよかった」と、心から思いました。

帰りがけに一人のフランス人女性が、「あなたの歌声とても好きでした、素晴らしかったです」と声をかけて下さったのが何より嬉しかったです。

私を起用して下さった小谷監督、土屋先生には本当に感謝です。有難うございます。

「たまらん坂」はワールドコンペティション部門にノミネートされていて、明日もまた上映があります。たくさんの方に作品が届きますように!

愛を込めて。

松本佳奈






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まつかな日誌 〜シンガーソングライター松本佳奈 日々の徒然〜